プレ更年期原因と予防
プレ更年期とは?
最近、更年期とは別にプレ更年期といった言葉をよく耳にするようになりました。女性ホルモンが一気に減ったために引き起こされる更年期障害は、すでにご説明したように閉経を迎える頃、すなわち40歳後半から50歳前半で発症しますが、それよりも若い年代、つまり30代後半から40歳前半の方にみられる更年期に似たような状況をプレ更年期のトラブルと呼んでいます。これは実際の更年期障害に比べ一般にその程度が穏やかなのが特徴的です。
プレ更年期の原因は?
更年期障害はいわば心と身体の転換期に出現する一連の不快な症候群ですが、それよりも軽いとは言え、プレ更年期もうっとうしく悩ましい状態であることに変わりはありません。原因としては、卵巣機能の直接的な低下によるものではなく、どちらかと言うと日々のストレスの積み重ねによってもたらされるいわば自律神経の不安定さが引き金になる変化と解釈されます。
この年代の女性は、お仕事や子育てを始め日常の生活が忙しくて気付かないうちにストレスを抱え込んでいる方が少なくないようです。これらが積もり積もって自律神経の動きにブレーキを掛け、さらに過労・睡眠不足・喫煙習慣・食生活の乱れなどが加わったりするとホルモンをコントロールする自律神経のバランスにも微妙なズレが生じ、種々の不都合が出て来ると考えられます。
プレ更年期の予防と治療法
このようにプレ更年期の発症には各種ストレスが大きく関与しますので、予防策としては普段からストレスがたまりにくい規則正しい生活を送るように努める必要があります。それには十分な睡眠の確保・適切な食事習慣・身体にあった運動の実施を心掛けるとともに、リラックスできる癒しの時間を出来るだけ取り入れるなどもお奨めの対処法になります。
また、スッキリしない症状のほかに生理不順になったり出血量が極端に減ったりするケースもあるので、ご自身のホルモンバランスを確認することも大切です。簡便なチェック法に基礎体温がありますから、基礎体温の測定で排卵の有無を始めホルモンの流れを確かめておくのもよいでしょう。
女性ホルモン分泌が不十分な場合には不定期な出血をみたりするため、エストロゲンとプロゲステロンを周期的に投与(カウフマン療法)したり、低用量ピルを使ってホルモン量を安定させ生理を整える治療も試みられます。
一方で、不定愁訴の改善には漢方薬の使用も効果的です。
*プレ更年期に行われるホルモン投与は、更年期障害に対するHRT(ホルモン補充療法)とは異なります。